こんにちは平手裕紀です。
今回は金管楽器のマウスピースについて書きたいと思います。
金管楽器を吹く人にとって、自分にぴったりなマウスピースを手に入れる事はとても大切なことで、どんなマウスピースが自分に合っているのかわかることもとても大切なことです。
しかし、マウスピースの複雑な構造をよく理解しないまま使っている人、意外と多いのではないでしょうか。また、自分にはどんなマウスピースがあっているのか、よくわからないまま使っている、なんて人もいるかもしれません。
そんな人のために、金管楽器のマウスピースはどうなっているのか、わかりやすく解説していきたいと思います。
マウスピースを選ぶときのポイント
まず、いくつもあるマウスピースの中から一つを選ぶときに心がけたいことを幾つか挙げていきたいと思います。
・目的とイメージを明確にする(明るく柔らかい音が出したいなど)
・友達が使っているから、有名な演奏家が使用しているからなどと言う理由だけで、マウスピースを選ばない
・吹いていて疲れないこと、吹きやすいマウスピースを選ぶ
・ものすごくバテたときでも音がなってくれるもの
・自分の吹いている音楽やジャンルに合うマウスピースを選ぶ(詳しくは下記で説明します)
マウスピースの各部分の名称
マウスピースには各部分に名前があります。マウスピースの知識として知っておきましょう。
マウスピースの断面図
出典 http://www.nagae-g.co.jp/fs/inst/c/mtr
リム
一般的に、厚くて平らなリムはハイノートが出しやすいとされ、薄いリムは柔軟性に富むとされています。
薄すぎるリムは唇に食い込むため血流を悪くする可能性があります。また分厚すぎるリムはマウスピースを唇に強くを押し当てる奏法になりやすいので注意が必要です。
実際、フラットで厚いリムは細かいパッセージを拭くのは難しいです。
また、自分の唇が直に当たる部分になるため、唇に当てたときにしっくりくるものを選ぶ必要があります。リムはマウスピースを選ぶポイントとして、最も重要視する部分でもあります。
リムバイト
この部分が鋭いとタンギングをしたときに叩くがはっきりします。
逆に丸い形をしたものはスラーが用意とされています。
僕個人的にはある程度鋭いリムバイトにするべきだと思います。
リム内径
大きいと大きな音が出ますが息がたくさん必要になります。そのため吹きこなすには持久力が必要です。
小さいと高い音が出しやすいですが、音量は小さくなりコントロールも難しくなります。
カップ
浅いカップは明るい音色で高い音域の演奏が簡単です。その分音が細い感じがします。
深いカップは太く柔らかい音色で音量も出しやすく、低音域のコントロールが容易にできます。
UカップとVカップ
カップにはUの形をしたカップとVの形をしたカップがあります。
Uカップになるほど高い音域が出しやすく、Vカップになるほど暗めで低音域が出しやすいとされています。トランペットのマウスピースはUカップのマウスピースが多いです。
また、マウスピースについている品番の数字はカップの深さとリムの内径の数字が記されています。しかしその表記の仕方はメーカーによって様々です。
[例]
Vincent Bach→ 5C (5はリム内径の大きさ、数字が小さくなると大きくなる。Cはカップの深さ、
Aが最も深い。)
Yamaha→ 14B4 (14はリム内径の大きさ、数字が大きくなると大きくなる。Bはカップの深さ、
Aが最も浅い。4はリムカンターといってリムの丸さ加減を表す。1が最も丸く5が最もフラット。)
スロート
マウスピースの内部で1番細い部分で、細く長いスロートは抵抗が強くなりスピード感がある明るい音色で高温域の演奏に向いているとされています。
太く短いスロートは暗めの音色で大音量が得られますが、抵抗が少ない分行がどんどん入っていくので使いこなすには持久力が必要となります。
バックボア
一般に浅いカップには細いバックボア、深いカップには太いバックボアとの相性が良いとされています。
自分に合ったマウスピースを選ぶ
これらを踏まえてどんなタイプのマウスピースが自分に合っているかを考えてきましょう。
あなたは普段どんなジャンルを演奏しますか?
吹奏楽部やブラスバンド部などで吹いている、ビックバンドのホーンセクションを務めているなど、人によって状況は様々だと思います。
基本的に、大きいマウスピースはオーケストラや吹奏楽などのクラシック音楽を演奏する人たちに好まれ、小さいマウスピースはジャズやポップスを演奏する人に好まれるとされています。
かといって、ジャズを演奏する人でも大きいマウスピースを好む人はいます。(逆は少ないかも。。)
実際、僕はBachの1-1/2Cを使っています。
大きいマウスピースの方が、フレキシブルに演奏できるんです。音もいい音ですし、少々バテますが、気に入って使っています。
ですがリードプレイヤーなどは、浅いマウスピースを使うでしょう。
自分の出したいと思った音色が出せるマウスピースを選べばいいのです。
大事にしたいのは『音色』です。
まとめ
楽器屋さんでマウスピースを選ぶときは、必ず自分の楽器で試して、音色、リムの口当たりなどを気にしながら、ここまで書いた内容を踏まえ、どのようなマウスピースが自分には適しているのか、探っていきましょう。
極端に深いマウスピース、浅いマウスピースを試してみるのもいいかもしれません。
また、ここでは触れませんでしたが、塗装加工仕上げの種類で音色や口当たりも変わります。銀メッキと金メッキでは全然違います。楽器屋さんでは銀メッキのマウスピースがほとんどですがもし試せるなら金メッキのマウスピースを吹いてみると面白いと思います。
それでは、マウスピース選びに悩む皆さんが自分にぴったりなマウスピースに出会えるのを願っています!!
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