ジャズ理論No,1 インターバルについて

皆さんこんにちは平手裕紀です。

今回から数回に分けて、主にジャズ理論について段階を踏まえて書いていこうと思います。

ジャズを始めたばかりの方、どうやったらアドリブができるのか迷っている方、基本はクラシックだけど趣味でジャズを弾けるようになりたい方など、いろいろな人に向けて書いていこうと思います。

第一回の今日はズバリ、

インターバルについてです。

日本語で音程ですね。

インターバルについて、わかっている方にとってはなんでもないことだと思いますが、

これがわからないと、ここから先何も分かりません。基礎中の基礎といっても過言ではありません。

それでは早速説明していきます。

そもそも音程って?


まず、音程とは

音と音との隔たりのことをいいます。ですので2つ以上の音が存在します。

例えば

(ファからドの譜面)

このときの音程はファからドまで幹音(シャープやフラットなどのない音)が5つあるため

5度といいます。

同じドとドでは、1度とします。

ただこれでは、シャープやフラットがついた場合、の説明ができません。

これを区別するため、音程には

完全系長短系と、大きく2種類に分かれます。

(音程の表)
表にあるように1.4.5.8は完全系の音程、2.3.6.7は長短系の音程です。

また、完全型の度数は完全を標準としてするより音程が半音広い時に増、狭い時に減という言い方に変わります。

同様に長短系の度数は長または短を標準として長よりも半音広い時に増、短よりも半音狭い時に減という言い方をします。

メジャースケールに当てはめる。


ここまでわかれば後は簡単です。

皆さんはメジャースケールと言ってどんなものかすぐにわかりますか?

ドレミファソラシドと、ピアノ弾けば、それはCのメジャースケールです。

メジャースケールの初めのドの音から、それ以外の音への音程は、
長〜度か完全〜度しか出てきません。

これ、めっちゃ使えます。

常にメジャースケールを基準としてそこから考えていけばいいのです。

*完全(Perfect) 長(Major) 短(minor) 増(Augment) 減(Diminish)


例題をいくつか出してみましょう。

例題


(1)ドからラ

は上のメジャースケールの表中の音程なので即答、長6度(M6)となります。

では

(2)ドからシ♭

はどうでしょうか?

まずドからシの音程はメジャースケールから、長7度です。そこから半音狭いため先ほどの表を見て、長から左に1つずらすと短7度(m7)となります。

では

(3)ソ♭からシ
 はどうでしょうか?
ソbから始まるメジャースケールは、

こうなります。すると4番目がちょうどド♭(つまりシ)なので、完全4度(P4)となりますね〜〜

わかってきましたか?

それではもう1つ、

(4)ソbからレは?

もともとソbから始まるメジャースケールでは上の表からレはフラットです。(この時完全5度)普通のレという事はそこから半音広いので、増5度(Aug5)となるわけです。

わかりましたか?

最後に、

(6)ドとレのダブルシャープはどうでしょうか?

ダブルシャープ?という人のために説明。

ダブルシャープとは、半音2個分あげる、またダブルフラットはその逆で半音2個分下げることです。普段クラシック音楽をやらない方は馴染みがないと思います。というか、クラシックでしか使いません。なぜなら、

レのダブルシャープはミと同じだからです。

しかし、クラシック音楽では、これらは別物として扱われるため、区別する必要があるのです。ですので、普段クラシック音楽をやらない人には余り必要としないことかもしれませんが、実際この度数を考えると、

まず、幹音で考えるとドとレですので2度です。また、通常ドとレは長2度ですね。そこから合計半音2個分広くすることになります。すると長から増、さらに広くするので

重増2度(Double Aug2)という言い方になります。

ここまでわかれば、インターバルに関してはバッチリです。

おまけ

【インターバルで遊ぶ】

いきなりですが、1オクターブ(ドを基準とすると、次のドが出るまでの音程、完全8度)を等分してみようと考えたことがありますか?試しにやってみると、面白いことに気づきます。

まず、1オクターブを2等分すると、

増4度(減5度)の音程が2つできます。

この音程をピアノで弾くと、ものすごく不調和な日々気がしますが、ジャズではこの音程はものすごく使われることが多くジャズがおしゃれに聞こえる理由はこの音程に秘密があります。

次に1オクターブを3等分してみます。

すると今度は長3度の音程が3つ出来上がります。

ジャズに詳しい人はここで1つ思うことがあるかもしれません。ジャズテナーサックスの巨人John Coltraneはこれを曲に応用し、コルトレーンチェンジと呼ばれる新しい理論を生み出しました。このことについてはまた別の機会に触れたいと思います。

1オクターブを4等分すると、短3度音程が4つできます。

この時出来上がる和音は減3和音(ディミニッシュ)になり、聞いた感じ、険しい感じがすると思いますがいろいろな音楽で使われる和音です。詳しくはまたお話しします。

1オクターブを6等分すると、次のようになります。

これはホールトーンスケールと言う名前でジャズやドビュッシーでよく使われるスケールです。有名なところではDuke EllingtonのA列車で行こうのイントロでピアノが弾くフレーズで、これはホールトーンスケールをそのまま下降した音列になっています。

等分出来るのはここまでです。

インターバルについて理解できましたか?インターバルを知る事は、理論知る第一歩です。しっかりと理解しておくことが大切です。

それでは今日はこの辺で。次回をお楽しみに!